超硬質路面の丸和で2017全日本ダートラ開幕!

PN2櫻井貴章、SA1稲葉幸嗣が貫禄の逆転優勝

 今年も全8戦で争われる全日本ダートトライアル選手権。2017シーズンの幕開けは、開幕戦の地として定着した栃木県那須塩原市の丸和オートランド那須が会場だ。3連休前半の3月18〜19日に設定されたレースウイークは、晴天に恵まれて多くのギャラリーが来場。午前中は風が強く吹き荒れて肌寒くなったものの、昼にかけて日差しも強まり気温も上昇。路面は良好な超硬質ドライコンディションになっていった。
 決勝コースレイアウトは、近年の開幕戦のトレンドであるAコース逆走右回りを採用。前半区間には今年リニューアルされたタイトなヘアピンが設けられ、大ヘアピンからタイトヘアピンに繋がるセクションは地元選手にとっても意外性が高かったことから、新設部分の攻略は多くの選手を悩ませた。
 路面コンディションは、午前中はあまり日差しが強くなかったことから第1ヒートのスタート前に撒かれた大量の散水がなかなか乾かなかった。しかし、お昼から午後にかけて日差しが強まったこともあり、第2ヒートは序盤から超硬質ドライタイヤが効く路面に変化。午後の天候は晴れで推移したため、ほとんどのクラスで超硬質ドライ路面のグリップ走行合戦となった。
 154台がエントリーした開幕戦丸和には、多くのフォルテックサポートドライバーたちが集まった。今シーズンはPN部門で活躍するオクヤマとのコラボが実現し、若手期待の2016年PN1チャンピオン宝田ケンシロー選手と竹本幸宏選手がサポートドライバーに加わっている。
 PN部門ではZC32Sスイフトの宝田選手、ZN6 86を駆る竹本選手のほか、ZF2 CR-Zを駆るPN1児島泰選手と、NCP131改ヴィッツを駆るPN2櫻井貴章選手が参戦。N部門では、昨年のN1チャンピオン岡翔太選手がフォルテックカラーのDC2インテグラで参戦し、N2クラスにはCZ4Aランサーの浜田隆行選手のほか、秋田の伊藤久選手と埼玉の宮地雅弘選手がCT9Aランサーで参戦した。SA部門では2015年SA1チャンプの稲葉幸嗣選手がDC5インテグラで参戦、SA2クラスにはCZ4Aランサーを駆る大ベテランの大西康弘選手やレディスドライバー人見雅子選手がエントリーした。
 SC部門にはCT9Aランサーで挑む岩下幸広選手のほか、吉村修選手と昨年のチャンピオン田口勝彦選手が熟成されたCZ4Aランサーで参戦した。また、兵庫の杉尾泰之選手が久々に復活。若手期待の平木亮選手とダブルエントリーでフォルテックカラーのGDBインプレッサを駆り2017シリーズを追うことになっている。そしてDクラスにはCT9Aランサーにスイッチした江川博選手と山本康徳選手が参戦してきた。

 PN1クラスでは、CR-Zを駆る児島泰選手が1分59秒642のベストタイムで第1ヒートを制したかに思われたが、オクヤマワークスの宝田ケンシロー選手が好走して1分59秒500をマークして逆転。フォルテックワンツー態勢を築いた。第2ヒートは、1号車が1分55秒台という驚愕のベストタイムを叩き出して、ターゲットタイムが4秒以上引き上がる仕切り直しの戦いとなった。児島選手は自己タイムを3秒以上更新したが約1秒届かず2番手。初のディフェンディングチャンピオンとして挑んだ宝田選手は再び好走しながらも最終セクションでマシンを小破。何とかフィニッシュして1分55秒932の3番手にとどまった。この結果、宝田選手が3位表彰台、児島選手は5位入賞を獲得した。
PN2クラスでは、ヴィッツGRMNターボを駆る櫻井貴章選手が気を吐いた。ディフェンディングチャンピオン川島秀樹選手が同型のヴィッツターボを投入したため、櫻井選手と直接対決になるかと思われたが、川島選手がマシントラブルで沈没。櫻井選手は第1ヒートで2分01秒469を叩き出してトップに立った。櫻井選手のライバルとなったのは今年からフォルテックサポートドライバーとなったオクヤマワークスの竹本幸広選手。第1ヒートでは約1秒差の2位に付けて、こちらもフォルテックワンツー態勢となった。
勝負の第2ヒートでは竹本選手とWエントリーで参戦したレーシングドライバーの青木孝行選手がベストタイムを更新して1分59秒台の戦いに持ち込んだ。そのトップタイムは暫く破られなかったが、竹本選手からたすきを渡された竹本選手は、1分57秒392という驚愕のベストタイムをマークしてみせた。そして最終走者の櫻井選手がフィニッシュ。1分57秒278というわずかコンマ1秒差のベストタイムを叩き出し、気鋭の若手ドライバーに対するベテランの意地を披露して見事な逆転勝利を飾った。
N1クラスのディフェンディングチャンピオン岡翔太選手。フォルテックサポートドライバーの中でも期待の逸材だが、今大会の第1ヒートではトップから約2秒離された3位に終わっていた。しかし、第2ヒートはターゲットタイムがすぐさま塗り変わる仕切り直しのバトルとなり、岡選手の出走までに1分51秒台の戦いとなっていた。ところが、岡選手の2本目は1分52秒531で自己ベストの更新に留まり、2位表彰台の獲得となった。
SA1クラスを戦う2015年チャンプの稲葉幸嗣選手は今年もDC5インテグラで戦っているが、第1ヒートは車両トラブルからスロー走行となり、トップタイムを叩き出した工藤清美選手から約5秒遅れの10番手となってしまった。第2ヒートは路面状況も大きく変わり仕切り直しの戦いとなったが、1分50秒台で推移していたベストタイムを工藤選手が1分48秒台に引き上げて最終走者のフィニッシュを待った。そして、第2ヒートの1本勝負となってしまった稲葉選手が魅せてくれた。第2ヒート1本勝負というプレッシャーを跳ね除けて、何と1分48秒666というタイムで工藤選手を約コンマ2秒逆転。昨年の第6戦丸和以来の優勝をものにした。
SC2クラスではディフェンディングチャンピオンの田口勝彦選手の活躍に注目が集まり、その期待通りに第1ヒートは1分42秒727で暫定ベストを叩き出した。今年こそタイトル奪還を誓う吉村修選手は好走したものの約1秒離された3番手に付けていた。第2ヒートは1分39秒台を狙える超硬質ドライ路面で、シード勢の出走時は1分40秒286がターゲットタイムとなっていた。ここでフォルテック勢のドライバーによる40秒台切りが期待されたが、吉村選手は1分41秒663、最終走者の田口選手は1分41秒329に留まり、それぞれ3位表彰台、4位入賞という結果を残した。
また、今年から兵庫の杉尾泰之選手がGDBインプレッサで全日本ダートラSC2クラスに復活してきた。これは若手期待の平木亮選手の育成を兼ねたプロジェクトで、フォルテックが支援する若手育成策では異色の、4WDマシンのドライバーを育てようとするものだ。平木選手は第1ヒートこそ18番手だったが、第2ヒートではトップから2.5秒差に収まる9位フィニッシュ。全日本ポイントを獲得してみせた。
4月15〜16日に開催されるJAF全日本ダートトライアル選手権第2戦は福岡県にあるスピードパーク恋の浦が舞台。コンパクトながら見応えある戦いが展開されるコースだけに、ダートラ巧者が多いフォルテックサポートドライバーたちが熱きバトルを見せてくれるに違いない。また、2017年全日本選手権のシリーズ成績は2017年11月末に開催されるJAFモータースポーツ表彰式で正式認定される。

2017年JAF全日本ダートトライアル選手権第1戦
DIRT-TRIAL in NASU
開催日:2017年3月18日(土)〜19日(日)
開催地:栃木県・丸和オートランド那須
主催者:フォレストスポーツクラブ[FSC]/モータースポーツクラブうめぐみ[MSCうめぐみ]



2015年SA1チャンプの稲葉幸嗣選手が
車両トラブルから奇跡の逆転勝利。


N1岡翔太選手と同じワークスカラーの
GDBでSC2デビューした平木亮選手。